目の前にひろがる



青と白の空間。









森のそとに出た。




そこは

足のすくむような絶壁。

その先に、道らしきものがあった。




子供ひとりがやっと乗れる小さな足場。

それがまばらに浮かび、

はるか先まで続いている。



リコッタは、底の見えない高さにぞっとした。




「道案内はここまでだよ」










トトは、先に進むよう促した。


「・・・・・・こんなところをすすむの?」


「こんなところ?」



トトはかるく足を踏み鳴らした。

まるでリコッタがおかしなことを言ったとばかりに、笑っているみたいだった。

リコッタは少しむっとしながらも、

来た道を引き返すのは嫌に思えた。







「この先には何があるの?」

「それは僕にはわからない。

だってこれは、リコッタのすすむ道(せかい)だから」




リコッタは、トトが何を言っているのかわからなかった。

「わたしの・・・せかい?」

ただその言葉だけが頭をぐるぐるまわった。




トトはだまっている。

このせかいのこと、トトのこと、謎だらけだ。でも・・・。




「ここがどこでも、トトが何者でもいいの。

わたし・・・トトと一緒にいきたい」





「なぜ?」

「だって、はじめての友達になれたから」







トトはしばらくだまってリコッタを見つめたあと、

ポーンと手前の足場にとんだ。



「もうしばらくきみと歩いてみたくなったよ」



さぁ、行くんでしょ?とばかりに、こちらにふり返る。





リコッタは怖さなど一気にふきとんで、

トトのもとへとんだ。



「うん・・・!」










ふたりで空を歩く。

見えてきたのは、ぽっかり浮かぶ小さな家。







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