水辺に浮かぶ白い森。
樹々に星が集い、枝先に灯る。
「シャン」 「シャン」 「シャン」 ――・・・・・・
静寂(しじま)の中
星の降りそそぐ音だけが、森に響く。
水におちた星はゆらゆらゆらめいて
ひとすじの道を残し、消えてゆく。
リコッタは、星屑でできたその道の上を
消えてしまう前に進んでいく。
森全体が脈打つように光り、その中に
まるでリコッタの鼓動と共鳴しているかのように光る
ひとつの樹があった。
樹の下へ行き、そっとふれると
一際大きく光った。
「・・・・・・あった。わたしの樹」
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